大阪と言えばたこ焼き、お好み焼き、ホルモン、タイガース、オバハン、そして串カツとなる。串カツと言えば「二度づけ禁止」で、店によっては客が同じ方向を向いてカウンターに斜めに肩を入れて立って飲み、キャベツをかじりながらビールか日本酒で流し込むというイメージがある。
西中島のプティ・キュイジーヌは全く違っていた。注文したのは2600円くらいのコースなので、オードブルが2つついてくる。その前に店の雰囲気はどう見てもフレンチかイタリアンであって、和でもなく、串カツでもなく、中華でもない。そしてサラダはさすがに串カツ屋さんらしくキャベツの四角に切られたものが中心のモノだった。と、ここまで串カツは全くなく、それでいて料理はいずれも美味しく、このままの調子で行ってくれてもいいよ、という感じだった。
次からは串カツがひとつずつ、ゆっくりと、上品に出てくる。何が出てきたのはよく覚えていないけれど、最後のほうに「イチゴ」が出た。つまり全部創作串カツであって、一般の串カツ屋さんのヘレ、レバー、ササミ、シシャモ、レンコン等が出てこない。スナズリは出てきたけれど、これが柔らかく、ジューシーで、固い部分を丁寧に取り除いた仕事がわかる代物だった。そしてタレは、レモン、塩、醤油、ソースが各人に用意されるので、二度どころか何度でもどれでもつけ放題。ただし、毎クシごとに、これはナニナニでお召し上がりください、と教えてくれるので本当に美味しく頂ける。
串カツが10本出てきた後は、お出汁で頂くお茶漬けと手作りデザートとなる。ビール、スパークリングワイン、白、赤とワインもすすんで、結局一人当たり5000円弱ということで満足だった。
場所がなかなか分かりにくいし、西中島の中ではややはずれのほう、といっても郵便局が隣にあったような気がするが、特に女性にはお勧めできるお店だろう。大阪の串カツの変わり種ではあるけれど、長く続けてほしいし、次行くときはまた違うネタを食べられることを期待している。残念ながら、写真は無い。